【添乗後記】日本体育大学バレーボール部フィリピン合宿2019<準備編>

2019年3月17日より21日まで4泊5日間の行程で日本体育大学 男子バレーボール部と女子ビーチバレー部の合同合宿がフィリピンの首都マニラで行われました。4月に開幕する春季リーグ戦に向けた本気の合宿でした。寒い日本を脱出して、熱気あるフィリピンでの合宿は非常に有意義なものになりました。その一部始終をお伝えします。

<発端>

2018年の夏頃に日本体育大学・健志台キャンパスの関係者の方よりこんな打診がありました。「ウチのバレー部が来春フィリピンで合宿を計画しているので、速やかに対戦相手と体育館を探して来なさい!」「はい? 海外合宿ですか・・・。かしこまりました。」雲を掴むような話ですが、大切なお客様です。直ちに現地調査が始まりました。

<合宿の骨格が固まる>

現地の日本人会を通して人脈を辿って行くと、一人のフィリピン人バレー部コーチにぶつかりました。その人こそ今回の主役、マニラ・ナショナル大学(National University)バレー部ヘッドコーチ「ダンテさん」でした。ナショナル大学男子バレーボール部は2018年度のUAAP(UNIVERSITY ATHLETIC ASSOCIATION PHILIPPINES)チャンピオンシップの優勝校でもあり、なかなかの強豪校である事が後に分かります。日体大側より合宿の実施は卒業式が終わった後の3月17日より21日までの4泊5日間の行程で組んで欲しいと希望があり、そのスケジュールをベースにダンテコーチとの交渉が始まります。日体大バレー部の受け入れ及び対戦スケジュールに関しては、早い段階で先方の了解も取れ、企画は一気に実現に向けて進んで行きました。3月の合宿は選手部員・監督・コーチ・トレーナー等関係者も含めると総勢46名様の大所帯です。スケジュールが固まった段階で、一気に飛行機や宿泊ホテルの仕込みも開始されました。骨格が決まれば、次は現地調査(下見)に移ります。

SMモールオブアジアにあるビーチバレーコート

宿泊ホテル周りの治安状況確認、食事場所の衛生確認、ビーチバレーコート及び使用予定体育館への導線確認、暑さ対策等々確認する事は山ほどあります。2018年9月上旬に日体大関係者の方とマニラへ飛びました。

<フィリピンタイムとの戦い>

「フィリピンタイム」=当初の予定通りに物事が進まない事。予定が大幅にズレる事。約束の時間通りに人が来ない事。フィリピンの人達と仕事をする上で絶えず悩まされるのが、このフィリピンタイムです。フィリピンでは予定が二転三転するのは当たり前の事として、常に心の準備をしておかないとあっという間に胃に穴が開いてしまいます。以降、私達もこのフィリピンタイムに随分と悩まされる事になります。後々のリサーチで分かった事なのですが、ナショナル大学には大きなスポンサーがバックに付いていました。そのスポンサーとは巨大コングロマリット「SM」の事でした。正式名称はSM INVESTMENTS CORPORATION。 傘下にSMモールオブアジアを代表する巨大ショッピングモール・スーパーマーケットやBDOユニオンバンク、住宅、オフィスビル、リゾート、ホテル、コンベンションセンターを展開する大企業です。そのSMグループ支援の元、ナショナル大学では2つの新校舎が急ピッチで建造中でした。一つはナショナル大学本校の向かい側に建設中のアネックスビル、もう一つはマニラから車で1時間の距離にあるラグーナ州カランバに建設中のスポーツアカデミー新校舎です。カランバ校舎は10月下旬に完成予定との事でしたが、視察を行った際には未だバリバリに工事中の光景が我々の目の前に広がっておりました。「3月に日体大のバレー部が来るまでには絶対に新校舎は完成している!」と豪語する現場管理者の声も虚しく響きます。ソフィテルホテルでダンテコーチ夫妻と初めてお会いし、今後のスケジュールの確認を取り合いました。使用予定体育館と対戦相手の調整は全てダンテコーチに一任です。3月にバレー部の人達が来比する際には、是非ともカランバ新校舎の新築体育館で交流試合を行いたいと、ダンテコーチより熱い申し出がありました。「果たしてそれまでに完成するのだろうか・・・?」一抹の不安を拭い去れないまま視察を終え、帰国した事を昨日のように思い出します。

ナショナル大学 カランバ校(建設中)
ナショナル大学 カランバ校 体育館棟(建設中)
ナショナル大学 カランバ校 ゲスト尞棟(建設中)

<日本での交流試合>

運の良い事にナショナル大学バレー部はチャンピオンシップ優勝のご褒美として2019年1月下旬に来日し、筑波大学や早稲田大学など複数の大学と交流練習試合を行いました。

健志台キャンパスでの練習試合風景

慣れぬ日本の寒さの中、調子は今一つでしたが貴重な体験だったようです。1月25日には日体大健志台キャンパスで練習試合を行いました。ミュンヘンオリンピック金メダリストであり、日体大教授でもある森田淳悟先生の目に留まった大型選手もいました。この日の練習試合はセットカウント3-1で日体大バレー部が勝利しました。ダンテコーチと3月の合宿について再確認する良い機会でしたが、利用する体育館や対戦相手については未定の部分が多く、詳細の詰めは2月に持ち越しになりました。

<最終?打合せ>

2月9日にようやく具体的な対戦スケジュールがダンテコーチから届きました。ただ、これを鵜呑みにすると後々厄介な事になりそうな予感がします。とりあえず受け取っておいて、今後の推移を見守ります。日体大側へは「現在調整中ですので、もう少しお待ちください」と逃げの一手です。このタイミングでもう一つ先方よりニュースが飛び込んで来ました。我々の交渉相手であるダンテコーチがフィリピンナショナルチームのヘッドコーチに就任したと言うニュースでした。大変おめでたいニュースですが、再び話がややこしくなってきました。当初はナショナル大学バレー部のメンバーが練習試合の相手になるはずでしたが、ここに来てナショナルチームの代表メンバーも練習相手になる可能性が出てきたのです!

2月21日より2度目の打合せの為、マニラへ飛びました。まずは新校舎の工事進捗を確認しにラグーナ州カランバへ赴きました。案の定、新校舎はまだ工事中でした・・・。3月に完成するとはとても思えない光景が広がっています。当初の落成予定から半年遅れていますが、これがフィリピンです。この2度目の打合せで初めてナショナル大学本校の体育館を視察しました。バスケットボールと併用の為、バスケットリングが少々邪魔ですが天井の高さは充分であり、宿泊ホテルからの移動時間も考えればこの本校の体育館を3日間使用させてもらえれば、こちらとしては何の異議もありません。が、相手はフィリピン人。フィリピン流の見栄の張り方に私達は翻弄される事になります。先方はどうしてもカランバ新校舎のこけら落としにバレーの対戦を組みたがっている様子です。新校舎の工事進捗を眺めつつも、2度目の打合せの段階では対戦チーム・利用体育館共に暫定予定のまま、帰国する事になりました。日体大側に最終日程表を提出するタイミングはとっくに過ぎていますが、この期に至っても未だ予定から確定にはなりませんでした。まさに胃に穴が開きそうな状況です。

2月下旬のカランバ新校舎。 完成まではまだまだ時間がかかりそう
建設中の体育館 あと3週間では絶対に完成しない!
ナショナル大学 本校体育館 お願いだから、こっちを使わせて欲しい

<二転三転四転>

以下、利用予定の体育館と対戦相手はこれだけ変遷して行きます。ダンテコーチの苦労がしのばれます。また、スケジュールが固まらない事に関して日体大関係者の方々には大変なご迷惑をお掛けしてしまいました。結果的に「フィリピンタイム」に対する耐性が出発前に出来上がりました。

<2月9日現在の予定>

1日目:場所 ナショナル大学本校体育館 対戦相手 アンダー23選抜

2日目:場所 カランバ新校舎体育館   対戦相手 ナショナル大学バレー部

3日目:場所 有料施設(SMアリーナ等)対戦相手 ナショナルチーム選抜

<2月28日現在の予定:(出発の3週間前)>

1日目:場所 ナショナル大学本校体育館 対戦相手 ナショナル大学バレー部

2日目:場所 カランバ新校舎体育館   対戦相手 アンダー23選抜

3日目:場所 ナショナル大学マカティ校 対戦相手 ナショナルチーム選抜

<3月11日現在の予定:(出発の1週間前)>

1日目:場所 FIL OIL FLYING ARENA 対戦相手 ナショナルチーム選抜

2日目:場所 ナショナル大学本校体育館 対戦相手 ナショナル大学バレー部

3日目:場所 アジアパシフィック大学  対戦相手 不明

*ようやくカランバ新校舎は諦めてくれました。未だ未完成ですから。

<3月15日現在の予定:(出発の2日前!)>

1日目:場所 FIL OIL FLYING ARENA 対戦相手 ナショナル大学バレー部

2日目:場所 ナショナル大学本校体育館 対戦相手 ナショナルチーム選抜

3日目:場所 ナショナル大学本校体育館 対戦相手 ナショナルチーム選抜

*実際には2日目の実施場所はナショナル大学新館(アネックス)体育館に変更。(事前告知無し)

*アネックスは工事中の建物で、館内も体育館も工事人が多く出入りする環境の中で練習試合を行いました。

実際の合宿風景は続編【実施編】をご参照ください。

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