ボラカイ島への2つの玄関口、カリボ空港とカティクラン空港。カリボ空港は海外からの直行便が就航する国際空港であり、カティクラン空港はフィリピン国内線専用空港です。混同しやすいこの2つの空港を詳しく解説します。
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カリボ国際空港(空港コード:KLO)
パナイ島、アクラン州、カリボに位置する「国際空港」です。ボラカイ島への玄関口の一つとして機能する空港ですが、ボラカイ島へ渡る船が出るカティクラン港までは約70Km離れた場所にあり、この空港からカティクラン港までは陸路で約1時間30分ほど移動時間がかかるため若干敬遠されがちな空港です。ただし、ボラカイ島へアクセスする一番近い「国際空港」であり、就航する航空会社・路線の数は多いのが現状です。国際線就航路線としては、特に韓国からの直行便が多く、韓国人観光客が数多くボラカイ島を訪れる要因となっています。
<国際線就航路線>(抜粋)
- フィリピン航空: 台湾・桃園線、韓国・仁川線、韓国・釜山線
- セブパシフィック航空: 香港線、韓国・仁川線
- エアアジアフィリピン: 韓国・仁川線、韓国・釜山線、中国・上海線
- パンパシフィック航空: 韓国・仁川線、韓国・釜山線、韓国・務安線
- エアアジア: クアラルンプール線
- シルクエアー: シンガポール線
- タイガーエア: シンガポール線
- エアソウル: 韓国・仁川線
<国内線就航路線>(抜粋)
- フィリピン航空: マニラ線、セブ線
- セブパシフィック航空: マニラ線、セブ線
- セブゴー: マニラ線
- エアアジアフィリピン: マニラ線
カリボ上空 空港ターミナルビル こじんまりした「国際」空港 日本では見かけない航空会社 手荷物ターンテーブル(国内線) ターミナル出口
カティクラン空港(空港コード:MPH)
正式名称は「ゴドフレド・P・ラモス空港」。 ボラカイ島へ行く際の一番近い玄関口であり、カリボ国際空港に比べるとボラカイ島へのアプローチはとても容易な空港です。ボラカイ島へ渡る船が出るカティクラン港までは陸路で約10分ほど。以前は小型機のみが就航し、夜間は離発着出来ない有視界飛行専用の小さな空港でした。この空港は台風や悪天候の際には欠航が相次ぐローカル空港でしたが、2016年に滑走路が1,800メートルまで延伸され、エアバス320クラスのジェット旅客機が離発着出来る近代的な空港に生まれ変わりました。滑走路延伸により、輸送力が大幅に拡張されたおかげでボラカイ島は大勢の観光客が訪れる人気リゾートになりましたが、逆にその影響で島が汚染され閉鎖の憂き目にあう遠因ともなりました。現在カティクラン空港は「国内線」専用空港ですが、「国際線」の就航を目指し新ターミナルを建造中です。この新ターミナルが完成すると念願の国際線の就航が視野に入ってきます。ただし、カリボ国際空港との軋轢が深まり(旅客の取り合いが始まり)、政治的にどのように決着するかは未知の世界です。面白いのはこの空港が自らを「ボラカイ空港(BORACAY AIRPORT」と名乗っていることです。まさしくボラカイの代表空港はこのカティクラン空港だとアイデンティティを誇示しているように見えます。
カティクラン空港は非常に変則的な空港です。到着ターミナルと出発ターミナルが別々に分かれており、しかも滑走路の両端に配置されているのでターミナル間の徒歩での移動は不可能です。出発ターミナルでは搭乗ゲートから飛行機に搭乗する際に一度バスへ乗車し、飛行機が離発着していない頃合いを見計らって滑走路を跨いで飛行機まで移動します。空港ターミナルのセキュリティは非常に厳しく、有効な航空券を所持していない旅客はターミナル内に立ち入ることが出来ません。
<国内線就航路線>(抜粋)
- フィリピン航空: マニラ線、セブ線、クラーク線
- セブパシフィック航空: マニラ線、セブ線
- セブゴー: マニラ線、クラーク線
- エアアジアフィリピン: マニラ線
到着ターミナル 到着ターミナル 出発ターミナル 出発ターミナル待合室 建設中のターミナルビル(タラップの奥) 延伸された滑走路